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「櫛」って?文化としての歴史

「櫛」って?文化としての歴史

ヘアアイテム

毎日使っている「櫛」…実はすごい歴史があるってご存知でしたか? 知っているとちょっと自慢したくなる秘密を解説します!

「櫛」とは?

現在は髪を梳かすものとして日常に使われる櫛。
古来はダニやシラミといった吸血虫を除去したり、
ふけやホコリといった汚れを取り払う為の衛生用品としても使われていました。
現在は昔と比べるとお風呂に入ったり髪を洗う習慣が日常化したこともあり、
このような衛生用品としての機能はほとんどなくなっていますね。

ちなみに櫛とブラシにはちゃんと違いがあります!
歯が一列に並んでいるのが櫛。
歯に相当するものが毛やピンで作られていて、複数列あるのがブラシ、となっています。

櫛の歴史

櫛として見てわかるような形になったのは、なんと古代エジプトの頃だと言われています。
現代から見るとなんと5000年前!

日本では最も早いもので、縄文時代初期には櫛のようなものが使われていたと言われています。
こちらは7000年前。
原始的な形から、江戸時代のちょんまげなど、
髪を結いあげる習慣に伴って髪を整える道具類が発展していったとみられています。

素材も年を経るごとに獣の骨やただの木切れから、
より櫛に適した木(現在でもつかわれいてるツゲなど)、竹、べっ甲や象牙などと多様化しています。
べっ甲や象牙となると、普段使いというよりは宝物のようですね。
象牙の櫛は見たことがないかもしれませんが、ミルクのような柔らかな白がとても穏やかで美しいですよ。

櫛にまつわるトリビア

「櫛」は元々霊妙なことや不思議なことを指した「奇」(奇しくもという使い方をしますよね)と同じ音であることから、
共通の不思議な力があるものとして扱われました。
髪を梳くのは女性ということから、旧来は女性格の象徴としても扱われました。

「くし」という読み方が「苦・死」とつながることから、道に落ちている櫛を拾うことは縁起が悪いとされています。
贈り物として櫛を送る際も、「くし」ではなく「かんざし」と呼んで贈るなど、かなり怖がられていたようです。

古来日本では櫛には別れを招く力があると信じられており、
現代でも櫛を贈り物にすることを嫌がられることもあるとか。
逆に、魂の宿る頭に飾るものだからこそ、自分の分身として、旅立つ人に渡すようなこともあったそうです。

まとめ

いかがでしたか?
普段何気なく使っている櫛ですが、実はとっても歴史のあるアイテムだったんですね。
ちょっと不思議で重い意味のあるお話もありましたが、櫛に限らず、持ち物は大切にした方が良さそうですね。
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