おとなのためのヘアケアメディア

木製の櫛はなぜ髪に良い?静電気を防ぎ、ツヤ髪を育む理由と、一生ものの選び方

木製の櫛はなぜ髪に良い?静電気を防ぎ、ツヤ髪を育む理由と、一生ものの選び方

ヘアアイテム

毎日、何気なく行っている髪をとかしている時に使う櫛が、じつは静電気や摩擦で、髪を傷つける原因になっているとしたらどうでしょうか?そもそも、古くから日本で愛用されてきた「木製の櫛」は、そんな悩みに応える、髪と頭皮にやさしい道具です。

木製の櫛はなぜ髪に良い?静電気を防ぎ、自然なツヤを与える、その仕組み

多くの人が日常的に使うプラスチック製の櫛と、木製の櫛の最大の違いは、「静電気」の起こりにくさにあります。乾燥した季節に髪がパチパチと広がったり、櫛に張り付いたりするのは、この静電気が原因です。
「髪の毛って受信機みたいなもので、空気中に飛んでいる電子をキャッチするんです。だから冬には静電気が起こりますね。

電子には埃や匂いがくっついているので、髪の毛は電子を寄せ集めながら毎日、どんどん汚れていきます。木の櫛は、そういう静電気や汚れをとってくれるんです」
静電気は、髪の表面のキューティクルを傷つけ、切れ毛や枝毛の原因にもなります。木製の櫛は、この静電気の発生を抑えることで、髪への不要なダメージを防いでくれるでしょう。

さらに、木製の櫛、特に日本の伝統的な「つげ櫛」には、髪に自然なツヤを与える働きもあります。

つげの木自体が持つ油分に加え、お手入れで染み込ませた椿油などが、髪をとかすたびに少しずつ髪に移り、自然なコーティングとなって、しなやかでまとまりのある髪へと導きます。

また、なめらかに仕上げられた木製の櫛の歯は、頭皮に心地よい刺激を与え、マッサージ効果による血行促進も期待できます。

「一生もの」の選び方。木製の櫛の「素材」と「歯の粗さ」で見極める、長く付き合うためのお手入れ方法

せっかく木製の櫛を選ぶなら、長く愛用できる「一生もの」と出会いたいでしょう。そのためには、いくつかのポイントがあります。

1. 「素材」で選ぶ

良い櫛は、素材そのものが持つ密度や弾力性が重要です。
良い櫛にはいくつかの特徴があります。ひとつは、持った際の手触りが滑らかということで、これは素材の密度が重要となってきます。また、一定の硬さがあり、粘りがあると、櫛の歯の奥まで磨き込むことが可能となります。つまり、弾力性があるということが、櫛の丈夫さにつながるのです。
これらにより、髪の通りが良くなり、地肌にもやさしい当たり具合になります。

2. 「歯の粗さ」で選ぶ

櫛の歯の間隔は、ご自身の髪質や用途に合わせて選びましょう。

・歯が粗いもの(粗歯): 髪をとかし始める時や、髪の量が多い方、パーマヘアの方に適している。
・歯が細かいもの(細歯): 仕上げや、髪の量が少ない方、細いストレートヘアの方に適している。

3. 長く付き合うための「お手入れ方法」

木製の櫛は、水洗いをすると、反りや割れの原因になります。

汚れが気になったら、椿油やあんず油といった植物油をガーゼなどにつけ、歯の間をやさしく拭き取るように掃除しましょう。

定期的にお手入れすることで、櫛はより美しく、使いやすく育っていきます。

まとめ

木製の櫛で髪をとかす時間は、単なるヘアセットではありません。静電気から髪を守り、自然なツヤを与え、頭皮を心地よく刺激する、髪と向き合う「いたわりの時間」です。

慌ただしい毎日の中で、ほんの数分、一本の良い櫛で、丁寧に髪をとかしてみる。

そんな小さな習慣が、きっとあなたの髪を、そして暮らしそのものを、少しだけ豊かにしてくれるはずです。
16 件
TOP